Posted by Jun MUTO on 2004/10/29 in 著作権
書籍・雑誌の貸与権交渉決裂の続報
すでに前の記事でも書きましたが、書籍・雑誌の貸与権についての関係者間の協議が決裂しました。
貸与権の関係者協議が決裂 (Rainbows’ Notes♪) に関連サイトの引用やリンクも含めて、まとめられています。
この Rainbows’ Notes♪ では、レンタル実験店(すばる書店白井店)報告書の怪 として、文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の資料に問題があることも指摘されています。
この実験結果から言えることは、出版業界の希望通りに貸与権が運用された場合、経済合理性からしてレンタルコミックが拡大することはないということだ。とすれば、先の著作権法改正は実質的なレンタル禁止をめざすものだったのかもしれない。
また、Copy & Copyright Diary では、関連記事が追加されています。
- 踏みにじられた附帯決議 交渉決裂は、国会の参議院と衆議院それぞれで行われた附帯決議に反しているという指摘。
- 出版界は民主主義を否定している 貸与権連絡協議会の構成団体(21世紀のコミック作家の著作権を考える会、社団法人 日本雑誌協会、日本児童出版美術家連盟、社団法人 日本児童文学者協会、社団法人 日本児童文芸家協会、有限責任中間法人 日本写真著作権協会、社団法人 日本出版取次協会、社団法人 日本書籍出版協会、日本書店商業組合連合会、社団法人 日本推理作家協会、日本美術著作権連合、社団法人 日本文芸家協会、社団法人 日本ペンクラブ、社団法人 日本漫画家協会、マンガジャパン)を痛烈かつ的確に批判。
(中略)書籍・雑誌に貸与権を適用する際の条件として附帯決議がなされたのだから、貸与権を要求した側が附帯決議を守るべきなのだ。
上記の貸与権連絡協議会の構成団体およびその会員は、自分達が国権の最高機関である国会の決議を踏みにじっていること、民主主義を否定していることを自覚すべきだ。
- 文化通信 マスコミ界の専門紙「文化通信」の報道を紹介。
また、同紙の出版時評でも取り上げていて、
貸与権は、レンタル業者との共存を前提に、文化庁や経産省も絡んで成立した。もし話し合いがつかなければ、批判は免れまい。
と指摘している。