著作権法改正要望事項に対する意見募集
文化庁が10月8日から10月21日まで、著作権法改正要望事項に対する意見募集 を行っています。
これは8月に著作権に関連する団体を対象に募集した要望について、一般の意見を集めるものです。
そのため、どの要望事項に対する意見かを明示するよう、意見提出の様式が細かく決められています。文化庁の資料「関係団体からの著作権法改正要望について」に目を通す必要があります。
ざっと見た感じでは、権利保有者の権利強化の要望が多く、利用者の権利を狭めたり、無くしたりすることを求めているものも少なくありません。
中には、あまりに自分勝手過ぎて、読んでいて呆れてしまうようなものもあります。こういった要望は、常識的にはまともに取り合われないと思われますが、「反対が無かった」という根拠で推進しようとする利権派もいるかもしれませんので、反対を表明しておく必要があると思います。
一方で、数は少ないですが、利用者が著作物を利用しやすくするための、著作権保有者の権利を制限する要望も出ています。こういった要望に賛成の声をあげるのは、今後の著作権改正の議論で、良識派の委員の方々への支援ともなりえますので、ぜひ送るようにしてください。
提出方法などについては、まずは前述の文化庁の募集ページをご覧いただくとして、他には有志の方々が設置された特設ブログ 著作権法改正要望のパブリックコメントを提出する サイトに細かい説明があります。
参考サイトとしては、
- 3分間でわかる「フェアユース規定」が必要な理由
- 「永遠-1日」がいい?──延長され続ける著作権
- 闘いは終わらない──“著作権法最大の汚点”となった「還流防止措置」
- 「権利の消尽は悪」ですか?──中古ゲームソフト裁判・延長戦
- CCCDは失敗だったのに──狭められる「私的複製」の範囲
- どうして? 日本だけ異様に厳しい「同一性保持権」
- 改正要望パブリックコメント記入例
- Winny開発者逮捕の衝撃──高まる「中立行為保護」を求める声
The Trembling of a Leaf (「ティアリングサーガ」裁判情報のページ)
- 必然が招いた最悪の結果 新しく導入される「書籍・雑誌の貸与権」について、貸与権連絡協議会とコミックレンタル店の協議が完全に決裂したこと。日本から貸本屋やコミックレンタル店が消滅するかもしれない危機を招きつつあること。
- そこに山があるから 「2.著作者の権利」(14) への意見。
愚智提衡而立治之至也 (重楼疏堂~城郭と旅と日々のおぼえがき~)
《陸這記》 crawlin’on the ground (sora tobu kikai)
- 2004-09-09 「犯人がわかってしまったら,もう物体としての書籍には価値がない」(作家の三田誠広氏の発言)。レンタルブックは本当に増えているのか。「貸本屋」はどのように消えていくのか。
- 新古書店とそのユーザーを擁護してみる
- 著作権法改正要望のパブリックコメント
Copy & Copyright Diary (Copy & Copyright 複写と著作権)
- 文化審議会著作権分科会(第13回)議事録 作家の三田誠広氏の発言について。
- 陸這記 作家の三田誠広氏の発言に絡めて、「6ヵ月の貸出禁止期間を図書館に対して要求」している日本推理作家協会への批判。
- 個人の意見と団体の意見
一部の作家の暴走で推理作家協会が動かされてしまう
ことの懸念。 - 「産業としての漫画」
- 一億総クリエーター、一億総ユーザー
クリエーターでないユーザーというのもあり得ないし、ユーザーでないクリエーターもあり得ない。それが「「一億総クリエーター」「一億総ユーザー」の時代」です。
との主張。 - 一度著作権が切れたものは、二度と権利が復活することはないし、してはならない 東京都行政書士会主催の「著作権フォーラム」において行われた、とんでもない、勝手で無茶苦茶な主張への批判。
- 流対協の著作権法改正要望 出版業界が著作隣接権とデジタル複写補償金を要求していること。
- 出版界と貸与権 「書籍・雑誌の貸与権」について、
出版界では十分に議論がおこなわれたとはいえない
、と出版業界の人間が認めたこと。 - 「非営利・無料」の「演奏」と「非営利・無料」の「貸与」
書籍・雑誌への貸与権の適用により私立大学の図書館が影響を受けるのではないか
、という懸念の再燃。 - 貸与権交渉決裂 作家の三田誠広氏のサイトの 「空海」創作ノート2 10/07 にて、書籍・雑誌の貸与権に関する交渉の決裂が報告されたことを受けて、
レンタルコミック・貸本業は営業を続けることは非常に難しくなった
と述べ、出版界の自殺行為
と批判。
- 著作権法改正パブコメ2004_案01 「1.著作権の定義」への意見。
- 著作権法改正パブコメ2004_案02 「2.著作者の権利」への意見。
- 著作権法改正パブコメ2004_案04_01 「4. 著作権等の制限」への意見1。
- 著作権法改正パブコメ2004_04_02 「4. 著作権等の制限」への意見2。
- 著作権法改正パブコメ2004_04_03 「4. 著作権等の制限」への意見3。
- 著作権法改正パブコメ2004_04_4 「4. 著作権等の制限」への意見4。
- 著作権法改正パブコメ2004_04_05
- 著作権法改正パブコメ2004_06
- 著作権法改正パブコメ2004_07
- 著作権法改正パブコメ2004_05
- 著作権法改正パブコメ2004_08
- 著作権法パブコメ2004_03
- 著作権法改正パブコメ2004_04_追加
- パブコメ提出完了
試される。(ココログ mix) (たそがれ iMac (Save our music!))
- 文化庁「著作権法改正要望事項」パブコメ
ちなみに、【2.関連】における(10)は文化庁の要約が間違っている。個票と照らし合わせると、日本コンパクトディスクビデオレンタル商業組合らが出した要望には3項目あり、文化庁が「書籍・雑誌の貸与権の報酬請求権化」としたのは第3項である。第1項は「『借りてダビングして返す』という利用方法が一般的ではないものについては貸与権の範囲から除外する」、第2項は「プログラムを組み込んだ工業製品は貸与禁止権の対象外であることを明文化」という要望だ。
文化庁の凡ミスなのかも知れないが、私はこの点を指摘し、第1項・第2項ともに賛成であることを付記しておいた。