3月3日頃に共同通信社の記事を元に新聞各社が報じて話題になった、「ちびくろ・さんぼ」復刊の話題について思うところを。
今回話題になっている瑞雲舎の「ちびくろ・さんぼ」(4月15日発売予定)は、特に挿絵の人気が高かった岩波書店版(の第一話)の復刊で、人気のあった本の復刊として確かに評価されるべきです。
しかし、物語の復刊としては後発組になりますので、差別への過剰反応や言葉狩りの見直しという面では、大げさに言うほどのことではないと思います。評価するのはいいんですが、同時に高く評価すべき対象がありませんか、と。
すでに、1999年に径書房が「ちびくろさんぼのおはなし」を出版しており、現在も流通しています。この本はオリジナルに忠実な内容だそうです。
径書房は以前から頑張っているのに、共同通信社や今回の復刊の話題を紹介している方々の多くに無視された格好で可哀想だな、と思ったので書いてみました。